CASE 520 インバウンド集客を強化したい

沖縄県よろず支援拠点

2025年03月09日 05:05

価格戦略と検索で対策




令和 7 年 3 月 9 日 沖縄タイムス 経済面掲載


 ◆ 企業名 チオンの家
 ◆ 業 種 宿泊業
 ◆ 所在地 恩納村
 ◆ 資本金 個人事業
 ◆ 創 業 2022年
 ◆ 従業員 非公表

【相談】
 恩納村冨着で一棟貸しの宿泊施設を運営中。カラフルなモザイクタイルの建築が台湾などで話題となり、インバウンド(訪日客)の利用も多い。さらなる集客について助言が欲しい。

【回答】



曲線構造の建物と美しい庭が特徴的なチオンの家

 チオンの家は、2022年に知花竜海さん・恵美子さん夫妻が開業した1棟貸しの宿だ=写真。恩納村の大通りから一歩入った、海が見える静かな高台に立地している。カラフルなモザイクタイルに彩られたアースバッグ建築は、土を建材に用いた曲線構造。部屋から外を眺めると、ハーブや野菜、色とりどりの花が咲く緑豊かな庭が広がり、宿泊者は庭の野菜やハーブの収穫を楽しめる。
 チオンの家は、台湾の著名人が滞在したことをきっかけに台湾で話題となり、台湾からの宿泊客が多く訪れる。中国への留学経験がある知花さんは中国語での接客も可能だ。開業から3年近くたち、これまでの運営を総点検しつつ、集客をより強化したいとの相談があり、複数の専門コーディネーターがサポート中だ。
 インバウンド対応においてはいくつか特定のターゲット国を想定しているが、その国の連休に合わせた宿泊プランの提供ができるとスムーズだ。また、宿泊料金の設定について、これまでは年間を通じ一律の価格設定としていたが、シーズンなどによって宿泊料を調整するダイナミックプライシングの導入を提案した。
 これにより、閑散期の予約率を高められる上、過去のデータや現在の予約状況から価格調整が可能となり、利益の最大化を図ることができるようになる。
 インスタグラムには、ターゲットである台湾人からの検索を想定し、検索対象であるアカウント名部分に繁体字を追加したところ、台湾からの問い合わせが早速増加した。現在は春節の繁忙が落ち着き、予約も一服している。比較的時間に余裕のあるこの時期に、SNSを使い付加価値を伝え、新たな集客につながるさまざまなサポートを続けていきたい。
 問い合わせはチオンの家、HPは https://chions-house.okinawa/
(県よろず支援拠点コーディネーター・堀家盛司

※掲載内容は相談者の承諾を得て紹介しています。経営者のあらゆる相談を無料で受け付けます。問い合わせや相談は同支援拠点 電話098(851)8460のよろず支援拠点、またはお近くの商工会にお問い合わせください。

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